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世界基金と日本のNGO
01.世界基金とは?

01-2世界基金が必要とされたわけ

 なぜ世界基金が必要とされたのでしょうか?世界基金の設立の背景にはいくつかの要因と国際社会の動きがありました。

 第一に、途上国での感染症の深刻な状況があります。HIV/エイズについては、世界には現在、約4000万人のHIV陽性者がおり、その95%が途上国で暮らしています。HIV/エイズは、2004年の一年間で、310万人もの命を奪いました。途上国では、陽性者の多くが治療にアクセスできていません。サハラ以南アフリカは特に深刻な状況にあり、平均寿命の低下、遺児の増加、労働人口の減少などにより、社会的・経済的影響は多大なものです。
 結核は世界人口の3分の1が感染しており、そのうち毎年800 万人が発症しています。比較的低価格での治療が可能で、克服できる病気にも関わらず、毎年200万人の命が奪われています。また、HIV/エイズの蔓延、多剤耐性結核の発症などにより、とくに、途上国や経済体制移行国(旧ソ連圏)で感染が急増しています。
 マラリアの感染報告数は年間3〜5億件に上っており、そのほとんどは貧困国に集中し、毎年、最低100万人の命を落としています。特に子供、妊婦、移動者の感染の可能性が高くなっています。また、マラリアの病原体であるマラリア原虫が、マラリア薬への耐性を持ったり、媒介体であるハマダラカが殺虫剤への抵抗力を持ったりする状況が世界で広まっています。また、気候変動(地球温暖化)、世界での紛争の拡散などにより、感染の危険性が高まっています。

 これに対して、国際社会は、2000年に開催された「国連ミレニアム特別総会」でミレニアム宣言を採択し、これに基づいて「国連ミレニアム開発目標」が設定されました。この中で、HIV/エイズ、結核、マラリアなどの感染症を2015年までに阻止し、減少させるという目標がうたわれています。1998年には、「2010年までにマラリアを半減させる」ことを掲げる国際的なパートナーシップ、「ロール・バック・マラリア」が立ち上げられ、また、結核に有効な対策であるDOTS(直接監視下短期化学療法)の普及が進められました。2001年にニューヨークで開催された国連エイズ特別総会では、「HIV/エイズに関するコミットメント宣言」が採択され、HIV/エイズに対する治療、ケア、予防教育を含む包括的な対策の実施とより多くの資金確保の必要性が確認されました。

 また、2000年にWHO(世界保健機関)が設立した「マクロ経済と保健」委員会(ジェフリー・サックス委員長)は、2001年12月に、低所得国の保健セクターに対して今、積極的に資金投入を行えば、将来において、その経済効果は非常に大きくなるという内容の報告書を発表しました。これにより、保健に関わる国際目標の達成および資金拡大の必要性に対する認識が高まりました。

 一方、途上国で初めて開催された南アフリカ・ダーバン国際エイズ会議では、アフリカのHIV/AIDS問題の深刻さが明るみになりました。その中で、2000年の九州・沖縄G8サミットにおいて、日本の提唱によって、感染症対策が世界の開発の主流課題として設定され、世界基金の構想が生まれました。2001年にナイジェリアの首都アブジャで開催されたアフリカ・エイズ・サミット、イタリアのジェノバで開催されたG8サミットで世界基金設立の方向が固まり、世界基金はついに、2002年1月に設立されました。

より詳しく知りたい場合は、以下のサイトが参考になります。

● 外務省:「世界基金」コーナー
  http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kansen/kikin/kikin_00.html

● 世界基金日本支援委員会:
  ・「世界エイズ・結核・マラリア対策基金とは:設立経緯」
   http://www.jcie.or.jp/fgfj/03.html#03_02
  ・「三大感染症の現状」
   http://www.jcie.or.jp/fgfj/04.html

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